あしたのこと。

地方住みアラサーオタクの日常

「シェルブールの雨傘」感想 その恋が運命じゃなくても幸せになれる

 

 

シェルブールの雨傘 [Blu-ray]

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  • 発売日: 2011/07/02
  • メディア: Blu-ray
 

 

「映画は社会の二次創作」という言葉を最近見て、とても感心した。

たしかに。

 

映画だけじゃなく、フィクションに求めるものってそのときどきで、笑いたいときもあるし、泣きたいときもあるし、ドキドキしたいときもあるし、何かを考えたいときもある。

わたしはフィクションにおける日常ものというか、ほのぼの系みたいな作品が苦手で、フィクションのなかであってはドラマチックであってほしいし、起承転結があってほしい。ハッピーエンドであればもっといい。だけど、創作物として発表されているものってそれだけじゃもちろんないし、そういうものにも触れていきたいと思っている。

人生って何もかもを経験できるわけではないから。

 

この映画はおしゃれ映画としてもときどきあがるタイトルで、パッケージは見かけたことはあった。ただ、フランス映画のテンポって自分の好みに合う、合わないの差が大きいのと、よく利用している配信サイトで配信がないのとで、見ようというところまではなかなか至らないままだったんだけど、好きな作家さんが好きな作品として挙げていたから、外出ついでにツタヤで借りてきた。そうでなかったら一生見なかったかもしれない。

台詞はなく、全編歌で表現するミュージカル映画で、よくミュージカルは急に歌いだすから苦手って声を聞くけど(わたしは大好き)、会話もすべて歌だから、これミュージカル苦手な人ってどう思うんだろうなって気になった。

わたしは前情報としてそのことを知らなかったので、第一声から何でもないことを急に歌いだすから、ちょっと混乱してwiki開いた。

借りたのはデジタルリマスター版で、正直映像のこととかはよくわからないけど、そもそもフィルムの映像というものがたぶんすごく好きで、なんとなく昭和の特撮が好きなのもフィルムの映像が好きだからなのかもしれないな、と思ったりした。見てわかるほど目は肥えていないとも思うけど。

 

ヒロインが可愛くて、ファッションも可愛くて、お母さんもピンクの服を着こなしたりするくらいオシャレでおうちの内装も可愛い。街並みも可愛くて、オシャレ映画として挙がるわけだなという感じ。

内容はよくある、というかよくあったんだろうな。という話で、ネットもスマホも普及した現代の、それも日本では同じような状況ってなかなか起こりにくいだろうけど、環境の違いはあっても、まあ、いまでもあるんだろうな。と思った。お金持ちの紳士に見初められるのはないかもしれないけど。

 

この恋は永遠だと思っても、若さの勢いのときもあるし、その恋が本物なのは事実だとしても生活するとなるとそればかりではいられなくもなるのだろうな、という社会がそこにあった。

わたしなら待っちゃうだろうか、と思ったけど、お腹に子どもがいて育てるとなったらやっぱりジュヌビエーヴのような選択をするかもしれないとアラサーの今なら思う。たぶん高校生くらいだとジュヌビエーヴに憤っていた。

マドレーヌは良い子すぎて、それでいいのか?となった。ギイが「結婚したのか、オレ以外の奴と」状態だったのは可哀そうだけれど、仕事も辞めて酒と娼婦におぼれての完全に失意のダメ男状態でマドレーヌにここにいてほしいと懇願してマドレーヌが了承するところ、ギイは立ち直ったからよかったものの、わたしがマドレーヌの友達なら止めてる。もともと献身的にギイの伯母さんの看病に通ってきてたのも健気だけれど、一歩間違えればダメンズメーカーだし。ギイがそのあとの「今のあなたは嫌い」が通じる相手でよかった。いや、これが言えるから、ギイがただのダメンズだったとしても、マドレーヌは普通に出ていけたかもしれない。もともと懇願されなければ出て行ってたはずだったし。

 

それぞれがいないとだめだと思った恋人たちでも、それぞれに幸せになることができるのだなあと思う。

恋愛映画って「この恋こそが運命」みたいなものになりがちだし、そういう恋に憧れるものだけれど、世の中の恋のほとんどはそういうものではなくて、それでも幸せになれるのだ。

最後のシーンがとても好きだった。これからきっとあの二人が会うことはないのだろうな、と思う。いやわかんないけど。でもたぶんジュヌビエーヴはあのガソリンスタンドに、というか、あの街にはもう行かないだろうと思う。でもそれぞれに幸せで、それがきっと人生だ。

 

「マイ・インターン」感想 人はいつだって誰かに肯定されたい

 

マイ・インターン(吹替版)

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  • 発売日: 2015/12/07
  • メディア: Prime Video
 

 

 アン・ハサウェイが好きだ。

 定番は「プラダを着た悪魔」なのかもしれないが、「オーシャンズ8」もすごく好きだった。「オーシャンズ8」は主要女性全員漏れなく好きだけれど。

ただ、洋画については、オタク特有の好きな役者を追う、みたいな見方はなぜかあまりしていなくて、マイ・インターンもアマプラにあったから見たいなと思いながら、優先順位はそこまで高くなかった。先にオーシャンズシリーズ制覇したかったし。

その優先順位をすっ飛ばして急に見ることになったのは、仕事7年目にして最大の怒りを職場で抱いたこと(それ以来わたしのデスクには退職願が忍ばされている)と、「マイ・インターン」に対する誤解からだった。

 

 熱心な映画ウォッチャーでもないわたしが映画を見ようとするとき、何を見るかの情報源は主にネットだ。

ファッションや雰囲気がかわいい映画を見たかったら、「映画 かわいい」で検索するし、特にこういうものが見たいという希望がないときは単純に「映画 オススメ」で検索する。

マイ・インターン」もそうやって出てきたまとめサイトでよくオススメされる映画の一つで、やり手の経営者(アン・ハサウェイ)のもとにシニア・インターンロバート・デ・ニーロ)がやってくる、というざっくりしたあらすじしか知らなかった。そこから勝手に、価値観の合わない年上の新人に振り回されるが奮闘するアン・ハサウェイという図を想像して、勝手に勇気づけられようとしたのだ。

 結論からいうと、わたしの目論見は予想とは違う形で叶った。

 どうしようもない仕事と上司の無茶ぶりにイライラしてたどり着いた映画に出てきたシニア・インターン、ベンは、気さくだけれど謙虚で柔軟、視野が広くてよく気が付き、新しいことも自ら学び、自分より若い人にも尊敬をもって接するうえに、ユーモアと思いきりの良さもある紳士。こんな70歳いる!!!???に満ち満ちた出来た人物だった。こんな70歳と言ったが、こんな人間いる!?の領域である。いるんでしょう、この世のどこかには。弊社にはいません。

 そんなベンなので、社内でもすぐに打ち解け、最初は彼を敬遠していたアン・ハサウェイ演じるジュールズからも信頼を寄せられ、みんなの良き相談役、友人となって、会社の大小さまざまな問題から、同僚の恋路、ジュールズのプライベートまであらゆることを解決していく。

といっても、彼がドラマの刑事のように東奔西走して(一か所だけ東奔西走するシーンもあった。すごく楽しくて大好きなシーン)ひとつひとつに手を貸すわけではない。ほとんどの場合、彼は彼にできるごく小さなことをしているだけ。意見を求められれば助言し、会社の行き場のない物が積み上げられ続ける机を片付け、人の見られたくない事情を目撃してしまっても直接はつつかない。彼自身が行っているのは、些細なことで、問題を抱えた周囲の人間は彼と話しながら自ら考え行動して解決していくのである。何でも相談できる人材も稀だが、それ以上にほどほどの干渉ができる人間というのは希少だ。たいていの人はやりすぎるか、やらなさすぎる。

なぜか彼には言えてしまうし、彼と話していると自分のやるべきこと、やりたいことが見えてくる。そういう存在なのだ。

実は彼はあくまで、個々の心にあるものを気づかせてくれるだけで、答えは最初から本人たちの中に決まっている。ただその答えに自信を持たせて背中を押してくれるのが彼なのだと思う。

 

 何かに迷ったとき、よく「心に○○を住まわせる」という処世術を聞く。○○は肯定力の高いギャルだったり、物事をズバッと言い切ってくれるマツコ・デラックスだったりと人によってさまざまだ。ちなみにわたしは、よく心の大阪のおばちゃんが「いい、いい。やってまい!」と威勢よく言うから思いきりだけはいい。

何かを決めなきゃいけないとき、人は誰かに肯定されたいのだ。

 

 「マイ・インターン」はわたしの選択を肯定する、わたしがわたしであることを肯定してくれる物語でもある。

 

 年齢層の違う人とのすれ違いに奮闘する物語と勘違いして見始めた映画だったが、結果的に、自己の肯定を得たわたしは、まあ、仕方ないから仕事頑張りますか!となんとなく元気になってしまった。

弊社にベンはいないけれど、心に住まわせることにして。

心のなかのベンは、きっと大阪のおばちゃんともうまくやるだろう。

 

オタクの遠征の鞄の中身(遠征編)

 

日帰り編の後も遠征してるわりに荷物全然あげてなかったなと気づいてようやく記事を書くにいたりました。

遠征に行くオタクの参考になったり、ならなかったりすればいいなと思います。

最後に荷物リストも載せています。

 

最初に断っておきたいのですが、わたしは荷物が多いオタクなので、削れるところはガンガンあると思います。

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今回は2泊3日でしたが変わるのは服と下着の量くらいです。

メインイベントは観劇、あと映画の応援上映も参加が決まっていたためキンブレも持っています。

 

☆服

写真左上3つのネットバッグや洗濯ネットに入っているのは衣類です。

ひとつに2日目の服と下着とハンカチ、もう一つに3日目の服と下着とハンカチ、

写真の一番上にある濃いピンクのネットバッグにあるのがパジャマ類です。

わたしはよく100均で買った洗濯ネットや旅行用のネットバッグに服を詰めていきます。これを圧縮袋にすると荷物の量も違うんでしょうが、観劇の際はキレイめブラウスなどが多いため、皺が恐くてあまり使っていません。そういうときはしわ取りミストをセットで持っていくことも多いです。

ライブ参戦のときなどはカジュアルめの服装なので圧縮袋を使うこともあります。

パジャマは荷物に余裕があればで、荷物をとにかく軽くしたいときはホテルのものを着用します。

だいたいライブTシャツに就寝用の着圧タイツ、ハーフパンツをパジャマにします。

 

☆洗面用具関係(花柄のバッグインバッグ)

だいぶ昔に雑誌の付録でついてきたやつ。

バッグインバッグは何でもそうですが、中の仕切りが多くて便利です。

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ホテルでのスキンケア、ボディケア関連のものはこの中に固めて入れてあります。

左上から、

・マスクや蒸気でアイマスク等が入ったケース

 ケースは100均。ホテルは乾燥しがちなのでマスクして寝ることが多いです。

・洗面用具が入ったメッシュポーチ

 シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、洗顔料はミニサイズのもの。

 クレンジング、乳液、化粧水は100均のケースに詰め替えています。

・青い丸いケース

 皮膚科にもらった薬

・ピンクの丸いケース

 ハトムギジェルかパーフェクトワンのどちらかを入れることが多い。

 お風呂上り、一通りスキンケアを終えたあとの顔のマッサージに使う。

・白い丸いケース

 ニベアクリーム

ニベアボディミルク

 お察しかと思いますが、ニベア信者なのと乾燥肌なので夏でも全身に塗ります。

ニベアのリップバーム(バニラ&レモン)

 つけるたび、パナップにレモン味があったらこんな匂いだろうなって気持ちになる。

    たぶんバニラの香料がパナップと同じなんだと思う。

・日焼け止め

 紫色をしていて肌をトーンアップしてくれる。

 さすがに風呂上りにつけるわけではないけど、化粧ポーチにはデカくて入らないのでここに入れている。

・シートマスク

 今回はミノンの美白タイプだけど気分によってそれぞれ。

・足指セパレーター

 フットネイルをするときなどに足の指にはさむやつ。

 外反母趾気味なのと、パンプスを履いてることが多いのでわりと必需品。

 ただし、なぜかこれをつけたまま寝ると悪夢を見る。

・写ってないけど、コームとヘアバンドも入ります。

 

☆紺色のナイロンバッグ

着用済みの衣類を入れる袋。100均です。

口をチャックで閉められる。帰るときにはパンパンになる。

 

☆メイクポーチ(白地に花柄のものと赤いもの)

赤いやつは持ち歩き用でその日によって内容が変わる。

軽い日だと鏡とリップのみ、重い日だとパンパン

メイクポーチの中身はまた別記事にします。

 

ヘアアイロン

いまだに使い方が下手

 

☆鏡(黒いやつ)

荷物がパンパンすぎて割れたり、安物買ったら壊れたりして、前回の遠征カバンの記事の時と同じものだけど3代目です。

 

☆ヘアスプレー

使い方が下手

 

☆服のしわ取りミスト

前述のとおり

 

☆キンブレ

オタクにはおなじみのスリコのキンブレケースです。

 

スーツケースに詰めるときは、アイロンやヘアスプレー、ミストやキンブレなどの細いものをスーツケースの伸縮持ち手が収納されてるとこの溝の部分に嵌めこむようにつめていきます。

一番上の写真の右上にスーツケースがチラっと写りこんでいますが、今回は結局これよりもう一回り大きいもので出かけました。

どうせ荷物増えるし。

友達と一緒の泊まりかつ、狂気なときは、ポータブルブルーレイプレイヤーと円盤を持ち込んでホテルのテレビと繋いで上映会するときもあります。

古いビジネスホテルだと繋げないこともありますが、今まで持ち込んだホテルでは結構な確率でつなぐことが可能でした。

 

以下、わたしが遠征荷物を作る際に使用している荷物リストです。

ほぼ最大荷物量くらいで書いているので、参考にされる方はいらんもんはどんどん削りながら使ってください。

ほんとはDLできる形式でアップしたかったけどよくわからんかったのでそのまま載せます。

 

荷物リスト

☆お風呂セット

・クレンジング ・シャンプー、ボディソープ類 ・カミソリ

☆ボディケア&フェイスケア等

・マスク、蒸気アイマスク ・フェイスパック ・ボディークリーム

・足指セパレーター

☆基礎化粧品

・化粧水 ・乳液 ・美容液 ・クリーム

☆ヘアケア

・洗い流さないトリートメント ・ヘアケアミスト

☆ヘアセット

・髪ゴム ・ブラシ ・コーム ・ヘアスプレー

☆メイク

・メイクセット ・日焼け止め

☆洗面

・ヘアバンド ・洗顔フォーム

☆ハンドタオル

☆服

☆パジャマ

・着圧タイツ

☆下着

・ストッキング履くなら予備のストッキング

☆その他

・脇パッド ・洋服のシワ取りミスト ・コンタクト ・コンタクトの目薬

・メガネ拭き ・綿棒、コットン ・生理用品 ・アクセサリー類

・メガネケース ・制汗剤、汗拭きシート

 ☆オタク的に必要なもの

・オペラグラス ・キンブレ(電池入) ・その他グッズ類

  

☆手持ちカバンに入れるものや身に着けるもの

・チケット(必要であれば身分証類も) ・電車等の切符や交通ICカード 

walkman等の音楽機器とイヤホン ・アクセサリー ・腕時計

・折りたたみ傘(天候による) ・充電器 ・財布

・ハンカチとティッシュ

 

要領がいいほうではないので、役に立つかはわかりませんが、参考になれば幸いです。

 

 

『ゴジラ対メガロ』平成生まれの女が昭和の特撮作品を令和に見た感想


【公式】「ゴジラ対メガロ」予告 人間型電子ロボットのジェットジャガーが登場するゴジラシリーズの第13作目。

書きかけのダブステ感想記事や、GWのキラフェス、舞台サイコパスを差し置いて、久しぶりにブログ書こう!!!!!ってなったのが、レンタルで気まぐれに借りた『ゴジラ 対 メガロ』なの自分でも意味わからんのだけども。

 

特撮は昔から好きだけど、言うて詳しくはないです。

ウルトラマンと戦隊をちょこちょこ見ていて、戦隊は自分の幼少期と平成初期ごろのものが割と好きで、一番好きな名乗りはダイレンジャーです。

あとカクレンジャーのドロンチェンジャーがめちゃめちゃほしい。

ウルトラマンは平成はさっぱりで、むしろ昭和のほうがいろいろかっこよくて好き。ポインターとか。JD時代に偶然イオンで遭遇したウルトラマンとのツーショ撮影会にちびっこに混ざって喜々として並んでたら自分の番になったときウルトラマンに引かれました。なんでや。

メタルヒーロー系はビーファイターシリーズしか見てなかったけど、あれ周りで覚えてる人いなさすぎるのなんで???

ライダーはなぜか通らずにきたので今でもあんまりついていけてませんが、諸事情でウィザードだけ全話見ました。察して。

 

tiger-lily-camellia.hatenablog.com

 

昨今のスーパーヒーロータイム若手俳優の登竜門と化してますが、イケメンじゃなくてもいいのにねえと思ったりもします。まあ、推しが特撮決まったらめっちゃ喜ぶと思う(ないと思う)

ゴジラシリーズは昭和も平成もちらちら見てる。一時期ハマってた。でも昭和のが好きかな。平成のはなんか恐いので。シン・ゴジラはめっちゃ好きだけど、あれは特撮ものというより人間ドラマですね。

 

小学校低学年の時くらいにゴジラにハマってレンタルビデオ店ゴジラをいろいろ借りてた時期があって。そのとき出会ったのがゴジラと共演していたため目についた『流星人間ゾーン』なんですけど、ネットの特撮好き界隈はともかく、リアルで知ってる人に出会ったことが一度もない。親にも当時そんなのどこから引っ張り出してきたの?って言われた。レンタルビデオ店の棚にゴジラの共演回のジャケットだけ見えるように置かれてたんだよね。

OPの「地球の友よ 握手は後だ ガロガ(※敵)の野望 ぶち破れ」の部分を幼心にこいつなかなか自意識過剰だな、と思って見てたけど、握手会やってたら並ぶと思う。あと、時代もあって、差別用語みたいなのも普通に入ってたので、逐一親に意味を尋ねては、そんなこと言っちゃだめって叱られた理不尽な思い出。

で、流星人間ゾーンって絶妙なダサさがあって。内容はともかくデザインに。

似非ウルトラマンみたいな顔は狙ってのことらしいですが、なんで靴の外側と内側で色違うの?とか。

このへんの感想は源氏物語』の光源氏ロリコン浮気野郎呼ばわりするような、感性が異なる時代のものを現代のかつ個人的な見解で見るというナンセンスなツッコミでもあるので、合わない人は本当に合わないと思うから自衛してほしいんですけど、『ゴジラ対メガロ』もこの視点でいきます。

そもそも『ゴジラ対メガロ』を手に取ったのは、作中登場する電子ロボット、ジェットジャガーの見た目が流星人間ゾーンを彷彿とさせる絶妙なダサさがあったからなんですね。顔の悪役みたいなデザインとかちょっとポップな配色とか。

こりゃあ愉快な作品に違いないと思って調べたら、ニコニコ大百科がなかなか期待できる記述だったのでレンタルを決めました。特撮怪獣映画に求めるもの、シンプルにドラマ性とか、男児的な観点でのカッコよさのときもあるけど、とにかくツッコミながら見たいときもある。で、完全にモードが後者だったわけです。

dic.nicovideo.jp

 

この先はネタバレしながらツッコミながら書いていくので、あしからず。

いや、1973年公開の作品なので、ネタバレも何もないわ。

 

最近は恐いけどかっこいいゴジラばかり見てたので、お目めがおっきい愛嬌ある顔のゴジラ久しぶりに見ました。可愛いんだよね、このゴジラ。シェーとかしてたのもこの顔のゴジラだっけ? このへんは詳しくはないのであまり言わないでおきます。

冒頭、核実験の話とか、ゴジラの住む怪獣島の話に触れてから今回の人間サイド、青年科学者と小学校2、3年生?くらいのその弟、そして青年科学者の後輩の男の三人がピクニック?か何かで湖畔?と思われるところに遊びに来ているシーンから始まります。

イルカの遊具を水面に浮かべてそれに乗って弟くんが遊んでいる微笑ましい場面。

真ん中に男の子が乗れるくらいの大きさのイルカと操縦桿らしきレバーがあって、両端に補助輪のように小さなイルカがついていて大きなイルカと小さなイルカをつなげるところに水かきがあり、小さないるかが回ることで水をかいて前に進むという仕組みになっているらしい。(予告動画にもチラっと映ってるので見てください)

それがどう考えても、前に進む構造をしていない。

小さないるかはパシャパシャ水面にあたるけど、構造上水かきが水かきの役目を果たせておらず、水をかけてないから意味がない。

弟くん楽しそうだし、兄とその後輩もニコニコとそれを見てるけど、引きの画になったとき結構沖から離れてて、いやこれ、流されてない???ってなる。

あとイルカのデザインが絶妙に可愛くない。

 

この時点で開始4分なんですけど、最初の3分はOPなので、実質開始1分なんですよ。恐ろしいことに。

開始1分でこれだけツッコませる?ってなった。

まだ期待のジェットジャガー全く出てないのに???

 

これはアタリだわ、とこの時点で確信し、最後までツッコミ続けることになる。

 

和やかなピクニック?の場面ですが突如起こった地震により、慌てて弟くんに戻ってこい!と叫ぶ青年2人。

 

弟「戻れないよう!!」

 

でしょうよ!!!!

作中では地殻変動で湖の水が地中へと吸い込まれていたせいとの描写でしたが、絶対そのいるかのせいだよ。

弟は兄の投げたロープにより沖に引き上げられたため無事でした。

その後、兄の後輩の運転で兄弟の自宅兼ロボット研究所へ戻る3人。

このあたりから、兄の後輩、どういう関係なんだ?という疑問が生じるのですが(兄の後輩だよと言われればそれまでですが)、最後までわからずに終わりました。

しかも一番活躍するのこの人なんですけど。

あとで調べたら主人公は兄のほうらしいんですけど。

兄弟が帰宅するとなぜか荒らされている室内、荒らしていた二人組に兄弟は襲われ気絶させられますが、後から入ってきた後輩(だからこの人は何?)がそれに気づき、逃げた二人組を車で追いかけます。結局逃がしてしまうわけですが、実はこの2人組は海底王国シートピアから送られた工作員だったのです!

核実験で領土の一部を破壊されたシートピア人が怒って地上にメガロを送り込んでくるというのが今回の流れなんだけども、シートピアの描写、なかなかになかなかだった。ギリシャ神話みたいな衣装の外国人が納谷悟朗さんのアテレコでものものしく何か言ってたけど、絵面が面白くてなんかその。うん。副官みたいな人は軍服っぽい服だったので、偉い人と女官だけギリシャ神話みたいな服のようです。文化がわからない。

あと、メガロ、シートピアの守護神らしい。守護神を使役すな。

で、工作員は実は兄が開発していたロボットを狙っており、研究所に盗聴器をしかけていて、ロボットが完成したタイミングで再び研究所を襲い、ロボット、ジェットジャガーを奪います。ジェットジャガー、人間サイズなので人が入ってる感がすごい

研究所は占拠され、ジェットジャガーは、工作員の一人に操られ、メガロの道案内役として使われる一方、もう一人の工作員は兄弟をコンテナに閉じ込めてコンテナごと沈めるため買収したトラック運転手二人組にとともにダムへと向かいます。トラックの運転席と助手席に乗る3人。買収されたトラック運転手二人組は薄々何かよくないことではと気づいてはいるものの金に目がくらみ、工作員の言うことを聞きますが、怪獣のニュースをラジオで聞き、行くのを辞めようとしたところ、工作員に銃で脅されます。その後、運転手たちは隙をみて、揉み合いつつも工作員から銃を奪い車から蹴り出すことに成功。そのまま崖の下へと転がり落ちる工作員

 

え、工作員弱くない?

モブにやられたんだけど。

 

研究所では、なぜか一人取り残されていた後輩が目を覚まし、残っていた工作員と格闘の末、兄弟のピンチを聞き出します。

後輩も一緒にコンテナ詰めときゃよかったのにね。

そうして、コンテナが崖?に落ちそうなところにギリギリ間に合った後輩。

ただ、中身を知らず落とそうとしていたトラックの運転手たちはだんだん近づいてきたメガロにビビッて逃げてしまい、後輩一人ではコンテナが戻せません。

もうここからギャグだったんだけど、後輩がタイミングみてコンテナ落とす(落としたのか落ちちゃったのかは正直よくわからなかった)→近づいてきたメガロの腕(縦に割ったドリルみたいになってる)に当たる→バウンドしてコンテナが草むらに着地&扉が開いて助かるという、ツッコミもできないくらい、ああ、うん、はい、そういうかんじね、OK…という流れでした。深く考える場面じゃないから考えないでおく。

この後輩一人最初に始末しておけば、シートピア人の陰謀はすべて上手くいった気がします。

 

さて、工作員は気づいていませんでしたが、実は兄のペンダントでジェットジャガーに指令を送ることができるため、それでメガロの先導をしていたジェットジャガーの制御を取り戻し、怪獣島へゴジラを呼びに行ってもらいます。

 

その機能でコンテナから脱出できなかった?

 

あと毎回怪獣島へゴジラ呼びに行くシステム非常に効率が悪いと思う。

怪獣島がどのへんにあるのかわたしは知らないけど、いつもゴジラって徒歩で来るスタイルだし、足も短いので結構大変だと思うんだけど。

これはまあいろんな都合上言っても仕方ないので割愛します。

 

ジェットジャガーゴジラ、パントマイム?でなぜか通じ合うんだけど、なんかもう通じたならいいや…、とここもあまりツッコまないでおきます。

 

この間に、研究所に残っていたもう一人の工作員は後輩と弟くんがやっつけます。

子供を巻き込むなとか、工作員弱くない???(二回目)とかいろいろあるけど、だいぶツッコミに疲れてきている。

負傷した工作員は研究所から逃げる途中で暴れるメガロが粉砕した岩石につぶされて息絶えました。工作員二人とも雑に最期を迎えている。

 

そしてここからはひたすらバトルシーンですが、ゴジラを呼びに行って先に帰ってきたジェットジャガー、想いの強さ?により意思が生まれ巨大化してメガロと戦い始めます。

 

兄「ゴジラが来るまで自分がメガロと戦わなくちゃいけない、その強烈な意思がきっとジェットジャガーをあんな巨大にしたんだな」

 

そっかぁ……。

もうね、質量保存の法則とかない。

 

ここへさらに、前作で人気になったため登場するガイガン(敵)。

爬虫類がベースのような容姿に単眼、鉤のような腕、とげとげした身体、悪そうで強そうな感じ、なるほど、当時の子供の人気を集めたことも納得なデザインです。

二対一でいよいよピンチを迎えるジェットジャガーのもとに助っ人、ゴジラが現れます。

 

徒歩で。

 

いや、ゴジラの登場はだいたい徒歩なんですが、この映画の場合、制作費の関係で決戦シーンが多少緑がある程度の荒野なため、結構まだ遠い距離の時点でゴジラが見えるわけです。

このピンチに!ゴジラが来た!となる。

なってからが長い。

結構距離がある。

短い足でせっせとゴジラが歩いてくる。

ちょっと威嚇しながら。

 

あんまりプロレスとか見ないんですけど、プロレスのチーム戦?ならもっとスピーディーなんだけどなって頭をよぎるくらい、なんか遠くからゴジラが歩いてくるんですよね。

やっぱ徒歩制度、効率悪いって。

何ならゴジラ現れてから結構ジェットジャガーいたぶられてるし。

 

で、二対二に持ち込んでからも、敵の煽り方がウェイ系で(手とか叩いてくる)めちゃめちゃ腹立つのだけ記憶に残りました。

理由のない憎しみを敵怪獣に抱いてしまう。

 

敵は倒したり逃げたりして、ゴジラは怪獣島に、ジェットジャガーは人間サイズのただのロボットに戻り、日常が戻ってきます。

 

よかったよかったと笑いあう3人とジェットジャガー

だから、後輩、お前は何なんだよ、と最後まで答えは出ませんでしたが、少なくとも今作の一番の功労者であることは間違いなかったです。

 

視聴後、各種情報サイト等で調べてみたら、後輩が実は駆け出しのレーサーで、だから、変に長いカーチェイスシーンが入ってたのか、と納得したり、冒頭でどう考えても前に進まないイルカの遊具が弟作だったことが判明して、子どもならまあ仕方ないかと思ったりしたわけなんですが、それ作中で説明してたっけ……?と首をかしげるなどしました。

わたしが聞き逃してたならすまん。

 

なかなか愉快に見させていただきました。

この記事書くために戦隊の話に触れたらめちゃくちゃ戦隊が見たくなったので、今度はカクレンジャーあたりを一気見したいです。

 

 

 

あんステMoM感想 ※ネタバレあり

あんさんぶるスターズ! Extra Stage 『Memory of Marionette』

日本青年館ホール 1/13(日)ソワレ

 

 結構、前キャスト引きずっての感想になるので、無理な方は見ないでくださいね。

 

 まあ、そもそもキャス変はいつか来ることと理解しつつも、あんステからあんスタに入って、前山英智と小松敬人が好きだったので、キャス変イヤイヤ期を引きずりながらあんステフェス応援上映会も行ったりしてだいぶ吹っ切れたころになって、ようやくヴァルに推しがキャスティングされた友達についていく気になりました。推しも推しユニットも出ないので、一人だったら行かなかったと思うけど、あんステアンチになったわけではないし、そのときには妖アパ行くのが決まってたし、普通に気になってはいたので行ってよかったです。イヤイヤ期にさんざんうじうじ言ってたので、それでわたしはわりと気が済んだところあったんだけど、友達には気を遣わせてしまって申し訳なかった。

 とはいえ、わりと遅れてのチケ戦参戦だったので、結果とれたのは一般の二階席だったんですが、それもまあ、よかったのかもしれない。俯瞰的に見れたし、新キャストをわたしの中で受け入れるにあたっては気持ちが楽かなという部分(見たくないわけではなくて、遠くから様子見していたい的な意味)もあったので。

 

◆セットやプロジェクションマッピング

ここから書くことになると思わなかったけど、セット凝ってましたね。いいぞいいぞ。わたしらが落としたお金をどんどん目に見える形にしてくれ。上手側の歯車の上にちっさい歯車のってるの、いろんな使われ方してたけど、最後のライブで宗くんが足かけたとき、ああ、そのための台……ってなった。

あと糸電話よかったです、何がっていわれると何かわかんないけど、ほ、ほんとに糸電話や……!!!って謎の興奮したしシュッっと片付くとこ最高だった。……何の感想?

 

◆Valkyrieについて

 いや、歌うま……。けっこう癖のあるキャラクターですが、めちゃくちゃ本人でしたね。お二人ともそれぞれ別作品で何となくしってる役者さんでしたが、新しい面を見ることができました。復刻でなんとかストーリー回収したのに読めないまま当日を迎えたので、マリオネットはほんのり知ってる程度で、原作にしろ、もちろんステにしろ、らびっつのに~ちゃんしか知らなかったため、お人形のなずなくんも新鮮でした。

 ライブの音が途切れるところ、ほんのり知ってはいたけど、舞台では前振りとして、英智がステージ脇に現れてふっと笑って去るみたいな演出あったりするかなと予想してたら、そんなこと全くなく、何の前触れもなくブツッといったので、あくまで機材トラブルって感じでした。胸が痛かった……。あのあたりずっと泣いてました。

 宗くんにしろ、みかくんにしろ、それぞれのキャラクターの持ってるヤバさが出ててよかったと思います。宗くんのなずなくんを前にしたそれ、まあ完全にヤバい人ではあるんだけど、何だかんだ言って、最終的に会話がちゃんとできてるのすごくない?推しが何言ったとかあの距離で覚えてられなくない?と思ったけど、宗くんは一言一句逃さず脳に刻んで反芻するタイプっぽくはありますね。推しがいる生活最高って感じというか。

 みかくんも、まあ、それなんだけど。推しというか、お師さん(ダジャレじゃないです)がすべてすぎて、それが危ういようにも思えるんだけど、だからこそブレないんだよね。それはそうと、常にかわいかったですね、みかくん。え~かわいい~ってなって舞台上にいるときはだいたいみかくんに視線奪われてました。なんか、自分が喋ってないときもわちゃわちゃ何かしてるんだもん。

 あと腐ってて非常に申し訳ないんですが、将来有望な攻めだなと思いました。

 

◆fineについて

 追憶の英智はみんなそうですが、グーで殴りたくなるけど、ほんとに殴ったら死にそうな英智でしたね(褒めてる)。線が細くて。最後の英智と渉の関係はとても好きです。贅沢をいえば、もっとアイドルという存在、絶対に手が届かない天才に焦がれてやまず狂気さえ垣間見えるほどの一面が見たかったところではありますが、なんだかそんな激しい感情振り回してたら死にそうな英智だったので仕方ないね、それはそれで正解だと思いました。

 歌などはまだ伸びしろを感じるfineでしたが、そもそも、わたしみたいに前キャストを引きずってたり、そうでなくても、あんステフェスで前キャストfineとしての完成形を見たあとに、スタートラインに立ったばかりの新キャストfineを見るのってどう考えても後者が不利なので、このさきの進化をたのしみにしています。

 

◆紅月について

 紅月もfineと同様なのですが。樋口くんてすごかったんだなって思った。でもこの紅月の魅せ方も好きだな、と思いました。太鼓、太鼓びっくりした。あと七夕衣装、敬人の二の腕見えるのがすごく好きであれが★3なの納得いってないんですが、オペグラで舐めるように見ました。普通に気持ち悪い感想になったな。そういえば、新キャストの敬人と英智は身長のバランスよかったですね。

 

◆らびっつについて

 存在がかわいい。むり。よくもパイにしようなんて言えたな英智……。円陣の時点で可愛くて、ふわあ、かわいい、ふわあ……ってなってた。友達は結成シーンで泣いてた。ラビおじにされてしまう……。何してても可愛いじゃん……。あと、しののんが、はい☝継承してて微笑ましかったです。みかくんが紅茶が凍っちゃったネタやったりね。

 

総合的に見てよかったなと思わせる舞台でした。ヴァルは本当に見たほうがいい。魅惑劇がすごく好きです。チケット苦戦してるのはどう考えても運営のせいなので、そこに引っかかってる人もヴァルは後悔させない価値があると思います。ヴァルのうちわ作るの楽しそうですよね。ヴァルの女の強そうなうちわ、すごくゴテゴテで重そうで見てるだけでたのしいです。ライビュは行けなさそうなので、配信があればいいな、と思っています。千秋楽まで無事、あの芸術が客席まで届けられますよう。

舞台『画狂人 北斎』感想 ※ネタバレあり

『画狂人 北斎

新国立劇場 小劇場 1/13(日)マチネ

 

地方OLで限りなく茶の間かつ、金銭的にもあまりやすやすと遠征できない身であるため、次に推しを見に行くのはストレート決まった時かなあと思った矢先に情報解禁され、チケットをとることになりました。来月の舞台も行くので貯金はいつするんだって感じ。

 

 関東遠征の際はいつも一緒の友達にすっかり甘えてしまって、今回は特に、なんだ劇場全部新宿近郊じゃーん!くらいの適当な感じで来てしまったので、友達についていきながら、わーほんとに駅直結なんだーと感心してたら、温厚な友達にちゃんと調べて!あなたが行きたかったんでしょと軽く叱られました。すまん。反省している。

 

 ここの劇場も初めてでしたが(というか今回どこも初めての劇場だった)、綺麗なところですね、中劇場では『SHIRANAMI』がやっていて、Twitterでタイトルだけ知ってたので、あ、ここだったんだ?ってなったりしました。

 ロビーに入るとフラスタの圧がすごくて、いやぁ若手俳優のオタクはお金出してなんぼだよな、と再認識。オタクよ、諭吉で殴り合え。

 わたしにそんな力はないので、ひっそりとパンフ列に並び、会員先行の特典を受け取り、一番種類が多いブロマイドに目を細め、結局物販列に並ぶなどしました。並んでる間は、何番と何番と……とか考えてたのに、自分の番になると、全部くださいと言っている不思議。推しの前で無力すぎる。

 

 北斎についての知識はまったく無しでしたが問題ありませんでした。

 

北斎について

 独特の存在感と圧を感じさせるお人でした。まさしく画狂人、ただ、描くことだけが生きること、それしかできない人、それだけができること。良くも悪くも。鎖国の時代に、描くという生き方を貫いた北斎。普通に趣味で浮世絵などの展示を見に行くこともあるのですが、今後北斎を見るときは視点が変わりそうです。小布施公演、行きたかったなあ。

 

◆お栄について

 見るからに苦労人という風体で、黒谷さんが綺麗な方なだけに、なおさら日々の苦しさが伝わってきました。劇中でも時代に翻弄される立場で、なんというか、女だからというのがもどかしく、だからこそ強くいられるのかとも思えました。強くあらねばならぬ人だったのが切なくも愛しく思える女性です。

 そういえば、見よう見ようと思って未だ見られずにいるアニメ映画「百日紅」もお栄さんが題材だった作品だったかと思うので、もちろん違った解釈でしょうが、改めて見てみたいなと思いました。

 

◆玉ちゃんについて

 なんでいきなり中の人やねんって話なんだけど、だって二役されてるから……。

予習どころか、公式情報すらサラッと流し見た程度で行ってしまったので、最初玉ちゃん出てきたときあまりのクソ男ぶりにびっくりした。北斎の孫の立場で遊びまわるどうしようもない男、時太郎と、小布施の北斎の門人高井鴻山のギャップよ。鴻山出てきたとき、5秒くらい誰かわからなかった笑 ん?え?いや、でも玉ちゃんだよねって笑

 だって、丁寧にお茶出してくれるとても上品な男を、北斎のことぎったぎたに痛めつけたりしてた男と同じ人が演じてるって一瞬理解できなかった。あまりにも差がありすぎる。あとめちゃくちゃ顔ちっさくて顔ちっっっっっさ!!!ってなりました。

 

◆長谷川さんについて

 劇場入ったときのセットがスクリーン、下手側に教卓、上手側に机と椅子という感じだったので、授業みたいな感じなのかなと思っていたら、美術館の講演会という形で始まりました。ちょっと威圧的で、断定的で、嫌な感じの役かと思ったら、ちゃんと後輩のことも心配してくれる良い人だし、研究者としてやっていくためにこういう性格にならざるをえなかったし、そこにいたるまでの背景がちゃんとあった。この人もまた報われてほしいと思う人でした。

 

◆凛汰くんについて

 長谷川さんの助手、くらいの情報は事前に確認してた気がするんですが、こう「えー北斎って〇〇じゃないんですか!?」みたいな、わたしみたいなド素人のために北斎の説明をしてもらうためのお助けキャラみたいな感じかなと思ったらしっかり重めの背景もった役だった。ビビった。才能に恵まれながら、おそらく3.11の津波で恋人を失って、絵が描けなくなり、画家をやめようとしている青年だったのですが、いつのまにか名前が凛汰になってたけど、出演が決まった際は役名が凛で女の子みたいな名前だなと思って調べたら、今作の先駆けになった同じく宮本亜門さんの『画狂人北斎』の朗読劇では女性が演じてらしたみたいですね。ってことは、姉を失った画家だったのか、あるいは同じく恋人を失ったのか。お栄さんと話すシーンを経て、再び筆をとるシーンは、彼もまた描くことが生きることである人なのだと思いました。

 

◆水谷さんについて

 また中の人ですね、あの館長さんと種彦も終わってから一緒な人だった?ってなりました。館長さんのアドリブ?っぽいセリフから、種彦と同じくユーモラスでお茶目な方なんだろうな、と思いました。種彦、かっこよかったよね。正直お栄との関係は思ってもみなかったので、え、そんな急に!?と思ったけど、それなら幸せになってくれよ……ってなってしまった。彼も生き方を貫いたかっこいい男でした。

 

 

ちゃんと見てたんですけど、見てたんですけど、こう、思ったよりも舞台に近い席で、はっきり推しの顔が見えてしまうゆえに、推しの顔に気を取られて他の人見たいのに集中できないシーンが多すぎて、近い席も考えものだなと思いました。通路から二番目だったんだけど、ほぼ真横でセリフ言うとこあって、あ、圧……ってなった。直後友達と感想言いあおうにも、推しの顔しか見てなかった人みたいになってしまったし、誰に対しても失礼すぎるので、推しの顔に慣れような。いい加減な。

いろいろ見直したいので円盤購入したいと思います。……貯金は?

舞台『妖怪アパートの幽雅な日常』感想 ※ネタバレあり

妖怪アパートの幽雅な日常

紀伊国屋サザンシアター 1/12(土)マチネ

 

 今年の舞台初めは妖アパでした。

 もともと別記事にまとめた北斎13日マチネだけ決まっていたところに、後で情報解禁された妖アパ、松ステ喜劇上映会、あんステMoMを突っ込んだ感じです。そんなにしょっちゅう遠征できるわけでもないので詰め込めるときに詰め込んどこ感満載の2日間でした。

 ほんとは封神演義もぶっこもうとしたのを、金銭面と体力面を理由に断念した感じ。

 あんステの前山英智と小松敬人が好きな女だったので(最推しは零くんのあんでの女ですが)、あんステフェスロスを引きずってのチケ取りでした。

 まあキャスティングもあんステの女を狙ってのことだと思いますが、良い作品で今年の始まりにはとてもよかったと思います。

 

 原作もアニメもタイトルだけはかねがね程度で、原作1巻を購入したもののずっと忙しくて、何やかやあって夕士が妖怪アパートに引っ越してきてこのアパートはなんだがおかしいと思い始める序盤までしか読めずに観劇にいたりました。まあ、問題はなかった。

 ここから先はネタバレ含みますのであしからず。

 

◆前ちゃんについて

 妖アパも前ちゃんも知ってる友達には、前ちゃんが夕士はなんかちょっとイメージ違うかも、と言われました。それに関しては、完全にキャスト目的でチケット取ったわたしでも、原作の挿絵の夕士からして、たしかにな、と思ってはいました。わたしの場合は前ちゃんを英智から入って、鶯丸を経ての今回なので、いちおう御茶ノ水ロックとかウィザードも見てはいるものの、基本的に品のある役のイメージが大きくて、「~ッス!」口調で喋る前ちゃんがあまり想像つかなかった部分もあります。

 始まってみると、ああ、なるほど、とはなりました。

 いやまあ、正直言えば、前ちゃんてご実家が裕福とも聞いたことはありますが、ご本人の雰囲気がお金で苦労してる感ないというか、刀ステ演出の末満さんがおっしゃるところの「生まれ持った気品みたいなもの」がやっぱりキャラクターの雰囲気を考えると違和感がぬぐい切れなかったんですよね。

 だけど、変わり果てたクリの母親に叫ぶシーンで、ああ、たぶんここのために前ちゃんになったんだろうな、と思えました。好きなシーンと言うには悲痛で、客席のあちこちからすすり泣きが聞こえてきた場面だったのですが、あの叫びが、両親を突然失っていままで生きてきた夕士の叫びそのものに思えたから。クリの母親の一件のあとも、表面上は笑って、でも誰にも頼れなくて、自分で大丈夫だと言い聞かせて、自分を内へ内へと押し殺していく夕士の姿が痛くてつらくて、でも高校生ができることってそんなになくて、客席で見てるだけなのがもどかしくすら思えました。大丈夫だよ、ちゃんと見てるよって言ってくれる人が必要なのに、唯一寄り添おうとしてくれている親友の前でも虚勢を張ってしまうのが、どうしようもなく不器用で。そういう感情ののせ方が上手いな、と思う役者さんです。前ちゃんの芝居のそういうところが好き。

 

 ここから完全に蛇足なんですけど、今回、ちょっとだけ原作を読んだとき、うっそ前ちゃん中3の終わりから始まるのマジで?と思いましたが、やはり中3の卒業式からでしたね。3月9日か、脳内でレミオロメン流れるわ……(世代)。前ちゃんと同世代なのでアラサーの中学生新鮮やなと思いました。

 あとアパートのみんながわちゃわちゃ喋るシーンが結構あって、たぶん日替わりでアドリブ入れつつだったと思うんですが、前ちゃんの「乳首ドリルすな」に不意打ちでやられました。元ネタ知らなかった友達に後で動画見せながら解説したけど、人生で乳首ドリルの説明する日がくるとは思わなかった笑

 

◆小松くんについて

 もうあんステから来た女だからこういう視点になってしまって申し訳ないけど、それも見越してのキャスティングだと思うから遠慮なく言います。ここでも幼馴染ありがとうございました。

 舞台の構成が、中盤までは夕士が高校に入ってからどんなことがあったのかを長谷に語るという形式だったので、妖怪アパートの幽雅な日常を長谷が舞台の端から見守るという状態でした。最早、小松準弥がいる優雅な日常って感じ。相変わらず足がえげつなく長くて持て余してる感あってよかったです。冬のシーンのコートとマフラーあまりにも好きだったけど記憶が曖昧であんまり自信がない。コートとマフラーしてましたよね?

 

◆佐伯くんについて

 わたし佐伯くんは守沢千秋しか知らないし、守沢千秋も佐伯くんから入ってる(あんステの円盤見てゲーム始めた)ので、わたしにとって佐伯くんは=守沢千秋なんですけど、守沢千秋静かな役できるんだ……って思いました(失礼)

 そもそもわたしが原作は龍さん出てくるところまで読めてないので、さっぱりどういう人かわからないまま見てたんですが、メインキャラではないけど、キャスティング的には目玉のひとつという形でしたね。

 

◆個人的に印象に残った方

 一色さんあと骨董屋さんの方が月並みな表現になってしまいますが、上手だなと思いました。一色さんの谷さんはわちゃわちゃしたのをコミカルかつふんわりとまとめるのがすごく上手くて、みなさんもちろん計算のうえでわちゃわちゃしているんでしょうけど、ああいうクッションがあるのわかったうえでわちゃわちゃできるのは安心だろうな、と勝手に思ったり。

 骨董屋さんの細見さんはめっちゃええ声でした笑 妖怪というファンタジー要素入りつつも基本は普通の一般社会が舞台の作品の中で一番奇抜な衣装のキャラクターでありつつも、衣装負けしない存在感と説得力でしたね。おそらくアドリブ仕掛人だったように感じたのですが、特に前ちゃん、乗ったりかわしたりが日々鍛えられているんだろうなと思いました。

 秋音さんとか、従姉妹ちゃんとか女子も可愛かったし、クリの子も可愛くて、虐待シーン(もちろん子役の子本人を傷つけることは一切ない)辛かった……

 カーテンコールでクリがシロ(大きな犬 舞台ではぬいぐるみ)をお辞儀させてるのも可愛かったです。

 あと印象に残ってるといえば、ダンサーさんなんだけど、黒子の役目も果たしつつ、様々な妖怪的な演出もこなし、変わり果てた姿のクリの母親もこなし、すごいんだけど、普通に気になった笑 そういう演出なのは重々承知だけど、向き不向きがある演出だなあと感じました。わたしは気にしないこともできるけど、気にならないわけではないって感じ。

 

◆どうでもいい話

 例のクリの母親のシーンでめちゃくちゃに泣けたらしいわたしの近くにいたお客さん、めっちゃ鼻すすってるなとは思ってたけど、最終的に鼻かみだしてちょっと面白かった笑 まあ、鼻かまないといけないほど泣いたなら仕方ないよね、仕方ないけど、いやめっちゃ鼻かんでますやんって音出さんでもよくない?ってなりました笑 かむのは仕方ないけど音遠慮してほしかった笑

 

 

 紀伊国屋サザンシアターは初めての劇場でしたが、あれくらいの規模の劇場はやっぱり好きだなあと思いました。世界観に入り込みやすいというか。

 前ちゃんのツイートで、「心の旅」という表現がありましたが、まさにそんな舞台だと思います。誰にも頼れなかった男の子が自分の居場所を見つける物語。とても素敵な舞台でした。