あしたのこと。

地方住みアラサーオタクの日常

舞台『画狂人 北斎』感想 ※ネタバレあり

『画狂人 北斎

新国立劇場 小劇場 1/13(日)マチネ

 

地方OLで限りなく茶の間かつ、金銭的にもあまりやすやすと遠征できない身であるため、次に推しを見に行くのはストレート決まった時かなあと思った矢先に情報解禁され、チケットをとることになりました。来月の舞台も行くので貯金はいつするんだって感じ。

 

 関東遠征の際はいつも一緒の友達にすっかり甘えてしまって、今回は特に、なんだ劇場全部新宿近郊じゃーん!くらいの適当な感じで来てしまったので、友達についていきながら、わーほんとに駅直結なんだーと感心してたら、温厚な友達にちゃんと調べて!あなたが行きたかったんでしょと軽く叱られました。すまん。反省している。

 

 ここの劇場も初めてでしたが(というか今回どこも初めての劇場だった)、綺麗なところですね、中劇場では『SHIRANAMI』がやっていて、Twitterでタイトルだけ知ってたので、あ、ここだったんだ?ってなったりしました。

 ロビーに入るとフラスタの圧がすごくて、いやぁ若手俳優のオタクはお金出してなんぼだよな、と再認識。オタクよ、諭吉で殴り合え。

 わたしにそんな力はないので、ひっそりとパンフ列に並び、会員先行の特典を受け取り、一番種類が多いブロマイドに目を細め、結局物販列に並ぶなどしました。並んでる間は、何番と何番と……とか考えてたのに、自分の番になると、全部くださいと言っている不思議。推しの前で無力すぎる。

 

 北斎についての知識はまったく無しでしたが問題ありませんでした。

 

北斎について

 独特の存在感と圧を感じさせるお人でした。まさしく画狂人、ただ、描くことだけが生きること、それしかできない人、それだけができること。良くも悪くも。鎖国の時代に、描くという生き方を貫いた北斎。普通に趣味で浮世絵などの展示を見に行くこともあるのですが、今後北斎を見るときは視点が変わりそうです。小布施公演、行きたかったなあ。

 

◆お栄について

 見るからに苦労人という風体で、黒谷さんが綺麗な方なだけに、なおさら日々の苦しさが伝わってきました。劇中でも時代に翻弄される立場で、なんというか、女だからというのがもどかしく、だからこそ強くいられるのかとも思えました。強くあらねばならぬ人だったのが切なくも愛しく思える女性です。

 そういえば、見よう見ようと思って未だ見られずにいるアニメ映画「百日紅」もお栄さんが題材だった作品だったかと思うので、もちろん違った解釈でしょうが、改めて見てみたいなと思いました。

 

◆玉ちゃんについて

 なんでいきなり中の人やねんって話なんだけど、だって二役されてるから……。

予習どころか、公式情報すらサラッと流し見た程度で行ってしまったので、最初玉ちゃん出てきたときあまりのクソ男ぶりにびっくりした。北斎の孫の立場で遊びまわるどうしようもない男、時太郎と、小布施の北斎の門人高井鴻山のギャップよ。鴻山出てきたとき、5秒くらい誰かわからなかった笑 ん?え?いや、でも玉ちゃんだよねって笑

 だって、丁寧にお茶出してくれるとても上品な男を、北斎のことぎったぎたに痛めつけたりしてた男と同じ人が演じてるって一瞬理解できなかった。あまりにも差がありすぎる。あとめちゃくちゃ顔ちっさくて顔ちっっっっっさ!!!ってなりました。

 

◆長谷川さんについて

 劇場入ったときのセットがスクリーン、下手側に教卓、上手側に机と椅子という感じだったので、授業みたいな感じなのかなと思っていたら、美術館の講演会という形で始まりました。ちょっと威圧的で、断定的で、嫌な感じの役かと思ったら、ちゃんと後輩のことも心配してくれる良い人だし、研究者としてやっていくためにこういう性格にならざるをえなかったし、そこにいたるまでの背景がちゃんとあった。この人もまた報われてほしいと思う人でした。

 

◆凛汰くんについて

 長谷川さんの助手、くらいの情報は事前に確認してた気がするんですが、こう「えー北斎って〇〇じゃないんですか!?」みたいな、わたしみたいなド素人のために北斎の説明をしてもらうためのお助けキャラみたいな感じかなと思ったらしっかり重めの背景もった役だった。ビビった。才能に恵まれながら、おそらく3.11の津波で恋人を失って、絵が描けなくなり、画家をやめようとしている青年だったのですが、いつのまにか名前が凛汰になってたけど、出演が決まった際は役名が凛で女の子みたいな名前だなと思って調べたら、今作の先駆けになった同じく宮本亜門さんの『画狂人北斎』の朗読劇では女性が演じてらしたみたいですね。ってことは、姉を失った画家だったのか、あるいは同じく恋人を失ったのか。お栄さんと話すシーンを経て、再び筆をとるシーンは、彼もまた描くことが生きることである人なのだと思いました。

 

◆水谷さんについて

 また中の人ですね、あの館長さんと種彦も終わってから一緒な人だった?ってなりました。館長さんのアドリブ?っぽいセリフから、種彦と同じくユーモラスでお茶目な方なんだろうな、と思いました。種彦、かっこよかったよね。正直お栄との関係は思ってもみなかったので、え、そんな急に!?と思ったけど、それなら幸せになってくれよ……ってなってしまった。彼も生き方を貫いたかっこいい男でした。

 

 

ちゃんと見てたんですけど、見てたんですけど、こう、思ったよりも舞台に近い席で、はっきり推しの顔が見えてしまうゆえに、推しの顔に気を取られて他の人見たいのに集中できないシーンが多すぎて、近い席も考えものだなと思いました。通路から二番目だったんだけど、ほぼ真横でセリフ言うとこあって、あ、圧……ってなった。直後友達と感想言いあおうにも、推しの顔しか見てなかった人みたいになってしまったし、誰に対しても失礼すぎるので、推しの顔に慣れような。いい加減な。

いろいろ見直したいので円盤購入したいと思います。……貯金は?